2026年宅建士試験対策・盛土規制法|過去7年間の出題傾向と50問チャレンジ

Kentoくんと盛土・擁壁・排水施設を描いた2026年宅建士試験の盛土規制法傾向分析
Kentoくん

盛土規制法って、名前だけでは何を規制する法律か分かりにくいよね。まず「なぜ旧法が変わったのか」と、法律で使う言葉から一緒に整理しよう。

2026年の宅建士試験に向けて、令和元年から令和7年までの9試験を確認しました。先に結論をいうと、受験者が優先したいのは、二つの規制区域、許可と届出、工事中の検査、工事後の維持保全です。

目次

そもそも、なぜ法律が変わったの?

旧法の名称は「宅地造成等規制法」でした。宅地の安全確保を中心とする制度で、森林は森林法、農地は農地法など、土地の用途ごとに別の法律が働いていました。そのため、各法律の目的や区域の違いから、危険な盛土を十分に規制できない場所が残っていました。

2021年7月の静岡県熱海市の土石流災害などを契機として、土地が宅地・農地・森林のどれであっても、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する必要性が明確になりました。そこで旧法を法律名・目的から抜本的に改正し、2023年5月26日に現行の盛土規制法が施行されました。

旧・宅地造成等規制法

宅地造成を中心に規制。土地用途ごとの法律の間に、規制が十分でない区域が残った。

現行・盛土規制法

宅地・農地・森林などの用途にかかわらず、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制。

Kentoくん

「宅地だけの法律」から、「土地の用途を問わず危険な盛土をみる法律」へ広がった、と理解するのが最初のポイントだよ。

最初に覚えたい4つの用語

宅地農地、採草放牧地、森林、道路・公園・河川などの公共施設用地を除いた土地。日常語より法律上の範囲がはっきり決められています。
宅地造成宅地以外の土地を宅地にするために行う、政令で定める盛土その他の土地の形質変更。
特定盛土等宅地又は農地等で行う土地の形質変更で、隣接・近接する宅地に災害を生じさせるおそれが大きいもの。
土石の堆積一定期間が経過した後に除却する、一時的な土石の堆積。恒久的な盛土とは手続や完了時の確認が異なります。
法文も確認|第2条「定義」をe-Gov法令APIで表示
開くと、e-Gov法令APIから施行中の第2条を読み込みます。

「宅地ではないから対象外」と判断しないことが重要です。農地や森林であっても、特定盛土等として規制される場合があります。

規制区域1|宅地造成等工事規制区域

市街地・集落と、その周辺で盛土等による災害のおそれが大きく、工事を規制する必要がある区域です。都道府県知事等が、基礎調査の結果を踏まえて指定します。

市街地等区域・集落と、その隣接・近接地を一体で指定
市街地や市街地となろうとする土地、集落、それらの外側で盛土等により人家へ危害が生じ得る隣接・近接地を、宅地造成等工事規制区域として一体的に示す。 盛土盛土 宅地造成等工事規制区域隣接・近接する土地の区域盛土等により人家へ危害が生じ得る範囲市街地・市街地となろうとする土地集落 規制区域の外周市街地等区域
中心市街地等区域追加集落・隣接近接地区域内手続対象規模は着手前許可

国土交通省「基礎調査実施要領(規制区域指定編)」図5.1を基に再構成。赤線の規制区域は、市街地等区域だけでなく、集落や、その外側で盛土等により人家へ危害が生じ得る隣接・近接地も含めて検討します。

対象規模の宅地造成・特定盛土等・土石の堆積は、原則として工事着手前に都道府県知事等の許可が必要です。

  • 指定主体:都道府県知事等
  • 工事の手続主体:工事主
  • 基本手続:対象規模なら着手前許可
  • 許可申請前:周辺住民への工事内容の周知
法文も確認|第10条「宅地造成等工事規制区域」を表示
開くと、e-Gov法令APIから施行中の第10条を読み込みます。

規制区域2|特定盛土等規制区域

宅地造成等工事規制区域の外側で、特定盛土等や土石の堆積による災害が起きると、離れた市街地・集落などの人へ危害を及ぼすおそれが特に大きい区域です。

特定盛土等規制区域は、二つの危害パターンを抽出する
保全対象へ勾配二度以上で流入する渓流等の上流域と、保全対象に隣接・近接して直接土砂が流出する区域という二つの抽出類型を示す。 特定盛土等規制区域 ① 渓流等の上流域② 隣接・近接する土地 盛土 勾配2°以上で流入保全対象の存する土地 盛土 緑破線内:隣接・近接する土地保全対象 保全対象へ勾配2°以上で流入する渓流等の上流域2°未満は原則として抽出対象外崩落土砂が隣接・近接する保全対象へ直接流出市街地・集落等以外の人家等も保全対象 特定盛土等規制区域保全対象の存する土地想定される土砂の流れ
類型①2°以上で流入する上流域類型②保全対象への隣接・近接地区域内手続通常規模は届出・大規模は許可

国土交通省「基礎調査実施要領(規制区域指定編)」図5.6・5.7を基に再構成。特定盛土等規制区域は宅地造成等工事規制区域の外側について指定し、渓流型と隣接・近接型の双方を検討します。勾配2度は、渓流等が保全対象の存する土地へ流入する箇所で判断します。

通常規模は着手30日前までの届出、大規模な工事は着手前許可へ切り替わります。

Kentoくん

特定盛土等規制区域を「全部届出」と覚えるのは危険だよ。規模が大きくなると届出ではなく許可になるんだ。

法文も確認|第26条「特定盛土等規制区域」を表示
開くと、e-Gov法令APIから施行中の第26条を読み込みます。

数字で見る|規制区域は全国にどこまで広がった?

127 / 129区域指定済みの地方公共団体
1,190万ha宅地造成等工事規制区域
1,900万ha特定盛土等規制区域
3,090万ha二つの区域の合計指定面積
宅地造成等工事規制区域 38.5%特定盛土等規制区域 61.5%

読み取り:指定面積では特定盛土等規制区域が約6割です。現行法が市街地だけでなく、森林・農地を含む上流域や周辺斜面まで広く見る制度だと分かります。

国土交通省「規制区域の指定状況」(令和8年4月1日現在)。都道府県46、指定都市20、中核市61の計127団体が指定済み。面積は公表値を四捨五入して表示。

造成宅地防災区域は何が違う?

造成宅地防災区域は、新しい工事の許可手続を中心とする二つの規制区域とは役割が異なります。既に造成された宅地について、災害のおそれが大きい場合に、擁壁の設置・改造などの防災措置を促すための区域です。宅地造成等工事規制区域内の土地を除いて指定されます。

現在も指定区域はあります。ただし、対策後の解除が進んでいます。

国土交通省の最新の全国一覧(令和6年4月1日時点)では6地区でした。その後、宇都宮市の3地区と会津若松市・高塚団地は解除済みです。一方、国土交通省の令和7年資料では、熊本県の新しい規制区域から「一部造成宅地防災区域を除く」と明記されており、制度も指定区域も現存します。

確認資料:国土交通省・全国一覧宇都宮市・3地区の解除会津若松市・高塚団地の解除確認国土交通省・令和7年の新規制区域一覧
指定・解除は更新されます。実務では対象地を所管する都道府県・市の告示でも確認してください。
法文も確認|第45条「造成宅地防災区域」を表示
開くと、e-Gov法令APIから2026年4月1日時点の第45条を読み込みます。

誰が許可する? 誰が申請する?

立場役割
工事主請負契約の注文者、又は請負契約によらず自ら工事をする者。許可申請、届出、住民周知を行う基本主体です。
工事施行者工事の請負人、又は請負契約によらず自ら工事をする者。許可基準では工事を完成させる能力も確認されます。
都道府県知事等許可権者・届出先。指定都市又は中核市の区域では、その市の長が法上の権限を担います。
土地の権利者許可対象工事では、工事区域内の土地について所有権・賃借権など使用収益権を持つ者全員の同意が原則必要です。
法文も確認|第12条「宅地造成等工事規制区域の許可」を表示
開くと、e-Gov法令APIから施行中の第12条を読み込みます。
法文も確認|第30条「特定盛土等規制区域の許可」を表示
開くと、e-Gov法令APIから施行中の第30条を読み込みます。

許可と届出は、何が違う?

工事主が内容を整理区域・行為・規模を確認
許可着手前に知事等の承認を受ける
届出定められた期限までに知事等へ知らせる
比較許可届出
意味工事着手前に行政の承認を受ける法定事項を行政へ知らせる
主な場面宅地造成等工事規制区域の対象工事、特定盛土等規制区域の大規模工事特定盛土等規制区域の一般的な対象工事など
住民周知許可申請前に工事主が実施法27条の一般届出では、許可申請前周知の規定とは区別して読む
着手時期許可証の交付後原則として着手日の30日前までに届出
法文も確認|第27条「特定盛土等規制区域の届出」を表示
開くと、e-Gov法令APIから施行中の第27条を読み込みます。

21日・14日・30日を、場面と一緒に覚える

場面期限前か後か
区域指定時に既に行われている工事指定日から21日以内指定後
一定の擁壁・排水施設等の工事着手日の14日前まで着手前
公共施設用地を宅地・農地等へ転用転用した日から14日以内転用後
特定盛土等規制区域の一般的な届出対象工事着手日の30日前まで着手前

工事中・工事後にも手続が続く

  • 中間検査:排水施設を埋める前など、後から見えなくなる特定工程を確認
  • 定期報告:一定規模の工事について、原則3か月ごとに工事状況を報告
  • 完了検査:盛土・切土等の工事完了後に技術基準への適合を確認
  • 維持保全:工事後も土地の所有者・管理者・占有者が安全な状態の維持に努める
Kentoくん

宅建では、工事主・知事・土地所有者などの主語と、申請前・着手前・工事中・工事後の時系列を線でつなぐと判断しやすいよ。

結局、2026年は何を勉強すればいい?

  1. 宅地・特定盛土等・土石の堆積の定義
  2. 宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域の違い
  3. 工事主と都道府県知事等の役割
  4. 許可と届出の違い、21日・14日・30日の期限
  5. 住民周知、中間検査、定期報告、完了検査
  6. 所有者・管理者・占有者の維持保全と、知事の勧告・命令
Kentoくん

記事を読んだら、50問チャレンジで「主語」「区域」「期限」を入れ替えた問題に挑戦しよう。10問ずつ進めれば、用語の定義も何度も復習できるよ。

盛土規制法・50問チャレンジ

5セット×10問。各問で正誤の理由、手続主体、初心者向けの用語補足を確認できます。登録不要で、続きから再開できます。

最初の10問に挑戦する →
50問チャレンジを案内するKentoくん
一次資料:国土交通省・盛土規制法ポータル基礎調査実施要領(規制区域指定編)規制区域の指定状況(令和8年4月1日現在)e-Gov法令検索宅建士試験過去問題
法令基準日:2026年4月1日。実務では最新法令、自治体条例、規制区域図、所管行政庁の案内を確認してください。
記事の制作・確認について
本記事はKentoくん編集部が制作し、建築基準適合判定資格者/建築・都市計画行政実務者が内容を確認しています。
詳しい制作・確認方針を見る
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