Kentoくん都市計画区域を指定するのは、市町村でしょうか、都道府県でしょうか。似た主体が次々に出てくるので、手続を順番で整理しましょう。
今回は、宅建士試験の一問一答を入口に、都市計画法第5条の指定手続を確認します。動画の内容に加え、二以上の都府県にまたがる場合、都市計画区域数と市町村数の違い、指定都市と副首都法の扱いまで整理します。
まずは動画で一問一答
今回の問題
都市計画区域は、市町村が市町村都市計画審議会の意見を聴き、都道府県知事と協議して、その同意を得たうえで指定する。



正しいか、誤りか。答えを見る前に考えてみて。
正解は「誤り」
都市計画区域を指定する主体は、原則として都道府県です。問題文には、指定主体、意見を聴く相手、協議して同意を得る相手という三つの入れ替えがあります。
| 論点 | 問題文 | 正しい内容 |
|---|---|---|
| 指定主体 | 市町村 | 都道府県 |
| 意見を聴く相手 | 市町村都市計画審議会 | 関係市町村+都道府県都市計画審議会 |
| 協議・同意の相手 | 都道府県知事 | 国土交通大臣 |
都市計画法第5条の指定手続


都道府県は、都市計画区域を指定しようとするとき、あらかじめ関係市町村と都道府県都市計画審議会の意見を聴きます。その後、国土交通大臣に協議し、その同意を得ます。指定後は公告し、関係市町村長と国土交通大臣へ区域図書の写しを送付します。
法令上の指定主体は『都道府県』です。『都道府県知事』と言い換えず、問題文の主体を正確に見分けましょう。
都市計画区域は市町村界と一対一ではない
都市計画区域は、一つの市町村の区域だけでなく、自然的・社会的条件や交通施設の配置などを踏まえ、必要に応じて複数市町村にまたがって指定できます。行政区域と都市計画区域は、必ずしも一対一ではありません。


国土交通省の令和7年都市計画現況調査(2025年3月31日現在)では、全国の都市計画区域は997区域です。一方、その区域に含まれる市町村は、787市、529町、36村の合計1,352市町村です。
たとえば、愛知県は6区域に51市町村、大阪府は4区域に43市町村、奈良県は2区域に28市町村が含まれています。区域数だけでは、その広がりや含まれる自治体数は分かりません。
二以上の都府県にまたがる場合は国土交通大臣
例外として、都市計画区域そのものが二以上の都府県にまたがる場合は、国土交通大臣が関係都府県の意見を聴いて指定します。関係都府県は、意見を述べる前に関係市町村と都道府県都市計画審議会の意見を聴きます。根拠は都市計画法第5条第4項です。
この区域に係る都市計画は、都市計画法第22条により、国土交通大臣と市町村が定めます。ただし、道路や鉄道など一つの都市施設が県境を越えるだけで、直ちにこの規定の対象になるわけではありません。前提は、都市計画区域そのものが二以上の都府県にまたがることです。
令和7年都市計画現況調査の都市別一覧に掲載された997区域を確認した範囲では、二以上の都府県にまたがる現行の指定例は確認できませんでした。実例ではなく、法律上の例外として覚えるのが安全です。
指定都市の特例は『区域指定』の特例ではない


都市計画法第87条の2により、指定都市は、本来は都道府県が定める一定の都市計画を都道府県に代わって決定できます。しかし、これは都市計画の決定主体に関する特例です。都市計画法第5条の都市計画区域の指定主体を指定都市へ移す規定ではありません。
また、国土交通大臣または都道府県が、指定都市の区域を含む都市計画区域について都市計画を決定・変更するときは、都市計画法第87条により指定都市の長と協議します。ここでも対象は都市計画の決定・変更であり、区域指定とは区別します。
2026年成立の副首都法にも区域指定の特例はない
2026年7月に成立した『国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律』(令和8年法律第78号)は、副首都の指定や都市基盤整備等の施策を定めています。
ただし、同法と成立時の関連法改正には、都市計画法第5条の指定主体を副首都や指定都市へ変更する規定はありません。将来の制度改正とは分けて、現行法では『都市計画区域の指定は原則として都道府県』と整理します。
宅建士試験の勉強ポイント
- 都市計画区域の指定主体は、原則として都道府県
- 意見を聴く相手は、関係市町村と都道府県都市計画審議会
- 協議して同意を得る相手は、国土交通大臣
- 二以上の都府県にまたがる区域は、国土交通大臣が指定
- 指定都市の特例は一定の都市計画の決定に関するもので、区域指定の特例ではない
まとめ
今回の問題は誤りです。『誰が指定するのか』『誰の意見を聴くのか』『誰と協議して同意を得るのか』を、一本の手続として覚えましょう。
都市計画区域の指定と、区域内での都市計画の決定は別の制度です。この二つを分けると、指定都市や都府県またぎの問題にも対応しやすくなります。
根拠・参考資料
- e-Gov法令検索「都市計画法」第5条、第22条、第87条、第87条の2
- 国土交通省「令和7年都市計画現況調査」
- 国土交通省「都市計画区域数及び都市数」
- 国土交通省「都市別一覧」
- 衆議院「国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案」審議経過
- 衆議院「同法律案 本文」
法令・公的資料確認日:2026年8月11日
このメモは資格試験の学習を目的とした一般的な解説です。法令改正や個別の都市計画については、最新法令、都市計画図書および担当窓口で確認してください。










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