換地計画 → 仮換地 → 換地処分
権利が動く時期の整理
土地区画整理法は、道路や公園を整えながら、従前の宅地にある権利を新しい換地へ組み替える法律です。令和元年〜令和7年、追加実施を含む9試験・問20の36肢を一次資料で再集計すると、換地処分・換地計画・組合・仮換地の4テーマで32肢、全体の約89%でした。
まず動画で頻出テーマ、記事で条文と時系列
動画では過去7年の重点を短く整理しています。視聴後は、このメモの用語表・公告前後の時系列・50問チャレンジで理解を深められます。
結論|迷わない学習順序
最初に、換地計画で新しい土地の割当てを設計し、工事中は仮換地で使用収益する場所を先に切り替え、最後に換地処分で権利関係を確定する流れを理解します。その上で、過去7年の出題数が多い順に条文を重ねると、用語をばらばらに暗記せずに済みます。
12肢。公告の日・公告翌日・登記制限を区別します。
7肢。照応、清算金、保留地の役割をつなげます。
6肢。従前地から使用収益が移る時期を整理します。
7肢。組合員、総会、賦課金、審議会との違いです。
2肢。許可期間・対象行為・許可権者をまとめます。
2肢。定義と施行者ごとの差を確認します。
Kentoくん全部の条文を同じ濃さで覚えなくて大丈夫。まず公告の当日と翌日、次に換地計画と仮換地をつなげよう。
基礎|最初に覚える6用語
| 用語 | 初心者向けの意味 | 中心条文 |
|---|---|---|
| 従前の宅地 | 事業前に権利を持っていた元の土地 | 第89条など |
| 換地 | 事業後に従前地の代わりとなる土地 | 第89条・第104条 |
| 換地計画 | 誰の土地をどこへ移し、清算金や保留地をどうするか定める設計図 | 第86条・第87条 |
| 仮換地 | 換地処分前に、先に使用収益する場所を切り替える土地 | 第98条・第99条 |
| 換地処分 | 換地計画どおりに権利関係を最終的に切り替える処分 | 第103条・第104条 |
| 清算金 | 従前地と換地の不均衡を金銭で調整するもの | 第94条・第104条第8項 |
土地区画整理法では、国または地方公共団体が所有する公共施設用地を除く土地を広く宅地といいます。登記地目だけで判断しません。
過去7年・36肢の出題分布
| テーマ | 肢数 | 割合 | 出題された試験 |
|---|---|---|---|
| 換地処分・登記・清算 | 12 | 33.3% | 8/9 |
| 換地計画 | 7 | 19.4% | 4/9 |
| 組合 | 7 | 19.4% | 3/9 |
| 仮換地 | 6 | 16.7% | 5/9 |
| 建築行為等の制限 | 2 | 5.6% | 2/9 |
| 施行者・公共施設 | 2 | 5.6% | 2/9 |
換地処分・登記・清算は9試験中8試験に登場しました。仮換地は令和4年・令和5年・令和6年・令和7年の4年連続です。直近の学習では、仮換地を「昔の細かい論点」として後回しにできません。
【優先度S】換地処分|公告日と翌日の違い
| 時点 | 起きること | 条文 |
|---|---|---|
| 換地処分 | 関係権利者へ換地計画で定めた関係事項を通知する | 第103条第1項 |
| 処分後 | 個人・組合・区画整理会社・市町村・機構等は知事へ届け出る | 第103条第3項 |
| 公告 | 大臣施行は大臣、それ以外は原則として都道府県知事が公告 | 第103条第4項 |
| 公告日の終了時 | 換地を定めなかった従前地の権利が消滅 | 第104条第1項 |
| 公告日の翌日 | 換地が従前地とみなされ、清算金が確定し、保留地を施行者が取得 | 第104条第1項・第8項・第11項 |
| 公告後 | 施行による変動登記が終わるまで、原則として他の登記ができない | 第107条第3項 |
頻出の誤りは、「仮換地指定後から他の登記ができない」「市町村施行なら市町村長が換地処分を公告する」「清算金は仮換地指定時に確定する」です。登記制限の開始は換地処分公告後、市町村施行でも公告は都道府県知事、最終清算金の確定は公告翌日です。
【優先度A】換地計画|照応・清算金・保留地の役割
位置・地積・土質・水利・利用状況・環境などを総合して、従前地と換地を対応させます。完全一致ではありません。
換地だけでは残る不均衡を金銭で調整します。額は換地計画に定め、公告翌日に確定します。
事業費などのため、誰かの換地にせず確保する土地です。公告翌日に施行者が取得します。
個人施行者が換地計画の認可を申請する場合は関係権利者の同意が中心です。個人施行者以外は、原則として換地計画を2週間公衆の縦覧に供します。「すべての施行者が2週間縦覧」とまとめないことが大切です。
【直近4年連続】仮換地|使用収益する場所の先行移動
- 施行者が換地処分前に仮換地を指定する。
- 効力発生日から、従前地は使用収益できなくなる。
- 原則として、仮換地を従前地と同じ権利内容で使用収益できる。
- 障害物など特別の事情があれば、仮換地の使用収益開始日を後日にできる。
- 従前地も仮換地も使えない期間に通常損失が生じれば、施行者が補償する。
仮換地指定などで使用収益者がいなくなった従前地は、換地処分公告の日まで施行者が管理します。仮清算金は、必要があるときに徴収・交付「できる」制度であり、仮換地指定時に必ず行うものではありません。



仮換地では所有権が直ちに移るのではなく、先に使用収益する場所が切り替わるよ。換地処分公告の翌日と混ぜないでね。
【優先度A】組合|組合員・意思決定・費用負担
| 条文 | 役割 | 頻出の誤り |
|---|---|---|
| 第14条 | 7人以上で組合設立の認可申請 | 1人で設立できる |
| 第18条 | 所有者・借地権者の各3分の2以上、かつ地積も3分の2以上の同意 | 人数だけで足りる |
| 第25条 | 施行地区内の所有者・借地権者は原則すべて組合員 | 建物賃借人も当然に組合員 |
| 第27条 | 3分の1以上の連署で役員解任請求 | 過半数の連署が必要 |
| 第34条 | 通常は半数以上出席、出席者の過半数で議決 | 全員出席が必要 |
| 第40条 | 位置・地積等を考慮して賦課金を公平に定める | 全員一律額 |
組合が仮換地を指定するときは総会・部会・総代会の同意を得ます。地方公共団体・国土交通大臣・機構等の施行では土地区画整理審議会の意見を聴きます。施行者が違えば、同意・意見を担う機関も変わります。
【優先度B】第76条|許可期間・対象行為・許可権者
所定の事業認可・事業計画決定などの公告後から換地処分公告まで、施行地区内で事業の障害となるおそれがある土地の形質変更、建築物等の新築・改築・増築、移動の容易でない物件の設置・堆積には許可が必要です。
国土交通大臣施行なら大臣、それ以外は原則として都道府県知事の許可です。市の区域内で個人・組合・区画整理会社・市が施行する場合は市長です。組合施行だから組合の許可、とはなりません。
全国データ|地域別にみた施行状況
国土交通省「令和7年都市計画現況調査」(2025年3月31日現在)では、施行中の土地区画整理事業は全国666地区・20,827.8haです。地域別では関東が292地区・10,864.2haで、施行中面積の半分を超えます。次いで中部、九州、近畿、東北の順です。
| 地域 | 施行中地区数 | 施行中面積 | 全国面積に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 関東 | 292地区 | 10,864.2ha | 52.2% |
| 中部 | 115地区 | 3,450.9ha | 16.6% |
| 九州 | 64地区 | 1,874.0ha | 9.0% |
| 近畿 | 71地区 | 1,479.8ha | 7.1% |
| 東北 | 40地区 | 1,286.8ha | 6.2% |
この5地域だけで施行中面積の約91%を占めます。とくに関東・中部では、新市街地の整備だけでなく、既成市街地の再編、駅周辺整備、道路・公園の改善などでも制度が使われています。試験で地域別数値の暗記は不要ですが、土地区画整理法が特定地域だけの制度ではなく、全国の都市基盤整備を支える仕組みだと理解できます。
2026年度|2025年4月2日〜2026年4月1日の改正
結論:過去36肢の中心である換地計画・仮換地・換地処分・組合の基本構造を変える改正はありません。
- 2025年6月1日:刑法改正に伴い、罰則の刑名を「懲役」から「拘禁刑」へ整理。
- 2026年4月1日:土地区画整理法施行令第58条第2項で、特別の考慮を払える医療施設にオンライン診療受診施設を追加。
どちらも上位4テーマの骨格変更ではありません。改正は確認しつつ、学習時間は36肢中32肢を占めた頻出テーマへ優先配分します。



2026年改正だけを追いかけるより、まず第103条・第104条・第107条と、直近4年連続の仮換地を固める方が得点につながるよ。
本試験|段階・主体・時期・効果の4点
- どの段階か:換地計画、仮換地、換地処分。
- 誰が行うか:施行者、都道府県知事、総会、審議会。
- いつ効くか:仮換地の効力発生日、公告の日、公告の翌日。
- 何が動くか:使用収益、所有権、清算金、登記。
「公告」「同意」「使用できない」だけを拾うと、何の手続を説明しているか分からなくなります。制度名・主体・時期・効果をセットで読めば、長い問題文でも判断しやすくなります。
土地区画整理法50問チャレンジ
換地計画→仮換地→換地処分→組合→76条の順に、10問ずつ反復します。










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