2026年宅建士試験対策・都市計画法 過去7年間の出題傾向分析と改正法対策

本と三角スケールを持つKentoくんと、2026年度宅建士試験の都市計画法・過去7年の出題傾向と改正法対策を示すアイキャッチ
Kentoくん

まず結論。過去9試験では、設問1は制度・土地利用、設問2は開発許可という2本軸が一度も崩れていないよ。

宅建試験の都市計画法は、例年2問が出題される。

たった2問でも、範囲は都市計画区域、用途地域、地区計画、開発許可など幅広い。条文を最初から均等に覚えようとすると、どこから手を付けるか迷いやすい分野なんだ。

そこでこのメモでは、令和元年度から令和7年度までの9試験分を調べ、都市計画法の設問1・設問2、合計18問・72選択肢を分類した。元の試験冊子では問15・問16に当たる。令和2年度と令和3年度は、10月試験と12月試験をそれぞれ1試験として数えている。

動画は6分33秒で要点を確認、この記事は数値・年度別ヒートマップ・改正の判断手順まで読み込む詳説版です。先に全体像を見たい方は動画、根拠と数字を確かめたい方はそのまま記事を読み進めてください。

2026年度宅建士試験・都市計画法|過去7年の出題傾向分析と2026年改正法対策

先に結論をいうと、過去9試験では次の役割分担が一度も崩れていない。

都市計画法の設問主な役割出題実績
設問1都市計画制度、用途地域・地域地区、地区計画など9試験中9試験
設問2開発許可の要否、申請・変更・完了など9試験中9試験
過去9試験で都市計画法の設問1は制度と土地利用、設問2は開発許可が出題されたことを示す図
過去9試験では、都市計画法2問の役割が毎回同じでした。

将来も問題番号が固定される保証はない。ただ、2026年度に向けた学習軸としては、「制度・土地利用」と「開発許可」の2本に分けると整理しやすい。

目次

このメモの分析範囲

  • 対象:令和元年度から令和7年度
  • 実施回数:9試験
  • 対象問題:都市計画法の設問1・設問2(元の試験冊子では問15・問16)
  • 合計:18問・72肢
  • 分析基準日:2026年8月15日

過去問の文章は転載せず、各肢を「主な論点」「副論点」「ひっかけ方」「学習優先度」に分解して集計したよ。

過去問の再現性と分析の限界

  • 各肢は最も中心的な論点へ1つだけ主分類した。複数条文にまたがる肢もあるため、これは学習用の整理であり、条文数の集計ではない。
  • 「問題全体の型」と「4肢の中身」は別に集計した。たとえば許可要否型の問題でも、許可後手続の肢が混ざることがある。
  • 過去7年の偏りは「優先順位」を決める材料であり、2026年度の出題を保証するものではない。出題が少ない論点も切り捨てない。

設問1は「都市計画制度と土地利用ルール」

設問1の36選択肢を主な論点で分類すると、用途地域・地域地区が18選択肢で半数を占める結果となった。

都市計画法の設問1の36選択肢のうち地域地区と用途地域が18選択肢で半数を占めることを示す棒グラフ
設問1は、用途地域・地域地区と地区計画が中心です。
主な論点肢数割合
地域地区・用途地域1850.0%
地区計画822.2%
都市計画区域・都市計画基準513.9%
準都市計画区域38.3%
市街地開発事業・都市計画事業25.6%

用途地域12種類を丸ごと暗記するだけでは足りない。よく使われていたのは、似た制度の定義や、定められる区域を入れ替えるひっかけ方だ。

設問1・36肢の年度別割合

合計値だけでは「毎年少しずつ出る」のか「特定年にまとまって出る」のかが分からない。そこで、各試験の4肢を100%として年度別に再集計した。

令和元年度から令和7年度まで9試験の都市計画法設問1を選択肢の割合で示した青から赤のヒートマップ
各試験の4肢を100%として集計。赤に近いほどその論点の割合が高いことを表します。スマホではタップして拡大できます。
  • 用途地域・地域地区が100%だったのは令和元年度、令和3年度12月、令和7年度。この分類の合計18肢のうち12肢(66.7%)は、この3試験に集中している。
  • 地区計画が100%だった令和3年度10月のように、1論点だけで4肢を構成する年もある。
  • 令和6年度は用途地域、地区計画、区域・基準・準都市が分散した。幅広く問う年と、1論点を深く問う年が交互に現れる。

「近年出ていないから不要」ではなく、論点の主役が年度ごとに動くと読むのが安全だ。用途地域系を軸にしつつ、地区計画と区域・基準を捨てない学習が合う。

設問1は比較すると違いが見える

個別の定義を縦に暗記するより、似た制度を横に並べる方が違いを見つけやすい。

比較する組合せ最低限見るポイント
高度地区/高度利用地区/特定街区高さ、容積率、建蔽率、壁面位置のどれを定めるか
特別用途地区/特定用途制限地域用途地域の中か、用途地域が定められていない土地か
地区計画/地域地区何を目標とし、地区整備計画で何を定められるか
都市計画区域/準都市計画区域定められる都市計画と定められない都市計画
Kentoくん

似た名前を一つずつ覚えるより、『どこで』『何を』定める制度かを横並びにしよう。

設問2は9試験すべて開発許可

設問2は、過去9試験すべてが開発許可に関する出題だった。ただし、問われたのは「許可が必要か」だけではない。

都市計画法の設問2は許可要否型5回と手続許可後型4回に分かれることを示す図
設問2は、許可要否型5回と手続・許可後型4回でした。
出題型回数主な内容
許可要否型5回開発行為、区域、面積、許可不要行為
手続・許可後型4回協議・同意、変更、完了、公告、地位承継など

面積基準だけを覚えても、手続型の4回には十分対応できない。入口の判断と、許可申請後の流れを分けて覚える必要があるんだ。

設問2・36肢の年度別割合

次に、設問2の各試験4肢を「許可要否・許可基準」と「手続・許可後」に分けた。これは問題全体の型ではなく、選択肢単位の割合だ。

令和元年度から令和7年度まで9試験の都市計画法設問2を許可要否と手続の選択肢割合で示した青から赤のヒートマップ
各試験の4肢を100%として集計。問題全体の型ではなく、選択肢単位の割合です。スマホではタップして拡大できます。
試験許可要否・許可基準手続・許可後
R1100%0%
R2・10月25%75%
R2・12月100%0%
R3・10月0%100%
R3・12月0%100%
R4100%0%
R525%75%
R675%25%
R7100%0%
  • 令和3年度は10月・12月とも「手続・許可後」が100%で、年による振れ幅が大きい。
  • 令和4年度は許可要否側100%、令和5年度は手続側75%と主役が入れ替わった。
  • 直近は許可要否・許可基準が令和6年度75%、令和7年度100%。ただし、手続系が2年続けて0%になったわけではない。

この振れ方から、許可要否だけに絞るよりも、入口の判断フローと許可後の時系列を1セットで完成させる方が得点の安定につながる。

Kentoくん

直近2年は許可要否側が濃い。でも、手続・許可後が100%だった試験も2回あるから、手続は捨てないでね。

許可要否型で確認する順番

  1. 土地の区画形質の変更に当たるか
  2. 建築物または特定工作物の建築・建設が目的か
  3. 市街化区域など、どの区域にあるか
  4. 区域ごとの面積基準以上か
  5. 都市計画法第29条の許可不要行為に当たらないか
  6. 市街化調整区域なら、第34条の立地基準や第43条の建築制限も確認する

都市計画法第29条は「開発許可が必要か」という入口、第34条は市街化調整区域で「その場所に立地できるか」という追加の基準だ。両者の役割を混同しないことが大切になる。

手続型は動詞を区別する

  • 許可
  • 届出
  • 協議
  • 同意
  • 承認
  • 公告

これらは「誰が」「誰に」「いつ」「何をするか」を一つの表にすると判断しやすい。

過去72肢で多かったひっかけ方

ひっかけ方肢数72肢中の割合
類似用途地域との混同79.7%
定められる区域の逆転68.3%
許可と届出の入替え56.9%
定義項目の入替え34.2%
区域と面積基準の組合せ34.2%
旧制度のイメージ34.2%
努力義務と必須の混同34.2%
許可不要行為の見落とし34.2%

数字そのものより、「よく似た制度」「定められる区域」「手続の動詞」を入れ替えて誤りを作るパターンが多かった。

  • 類似制度の混同:名前ではなく「指定できる場所」「決められる項目」「決定権者」の3列で比較する。
  • 手続の入替え:「許可」「届出」「協議」「同意」「承認」を、主体・相手・時期とセットで覚える。
  • 断定表現:「必ず」「一律に」「例外なく」が出たら、許可不要規定や面積基準が残っていないかを再確認する。

2026年度試験で確認したい法改正

宅建試験は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されている法令が出題の基準になる。
2026年度試験は2026年4月1日施行分までが基準日となる。

今回の分析範囲と関係が深いのは、都市計画法施行令第21条第26号の改正になる。

乳児等通園支援事業

2025年7月1日施行の改正で、同号ロに「乳児等通園支援事業」が追加された。

国・地方公共団体などが直接設置する建築物でも、この施設は都市計画法第29条第1項第3号によって当然に許可不要となる施設から除かれる。

オンライン診療受診施設

2026年4月1日、医療法第2条の2第2項に「オンライン診療受診施設」が新しい医療提供施設として位置づけられた。正式名称は「オンライン診療受診施設」であり、オンライン受診診療所ではない。

この施設は、医師や歯科医師が勤務する医療機関に対し、患者がオンライン診療を受ける場所を業として提供する施設だ。病院や診療所そのものではなく、設置者に医療従事者である要件も設けられていない。郵便局や公民館などの活用も想定されている。

なぜ公共設置でも「当然に許可不要」ではないのか

この理由は、2026年の医療法改正だけではなく、2007年から続く開発許可制度の構造にある。

時点法令の動き開発許可との関係
2006年5月平成18年法律第46号を公布公共公益施設の立地規制を見直す方針
平成19年11月30日改正制度を施行病院・学校・社会福祉施設等は、公共設置でも当然の許可不要対象から外れる
2026年4月1日医療法に新しい施設類型を創設医療法第2条の2第2項に位置づけ
2026年4月1日関係政令を同日施行都市計画法施行令第21条第26号ハの除外リストへ追加

現在の都市計画法施行令第21条第26号は、国や地方公共団体などが直接使う建築物を原則として許可不要の対象にしながら、イからホに列挙する施設はそこから除いている。ハには病院、診療所、助産所があり、2026年にオンライン診療受診施設が加わった。

改正問題は「施設名」だけで結論を出さない

確認順確認すること意味
1土地の区画形質の変更があるか開発行為でなければ、まず第29条の開発許可の問題にはならない
2都市計画区域等の区分と開発規模施行令第19条・第22条の2の規模未満なら、許可不要となり得る
3第29条のその他の許可不要行為1つの例外リストから外れても、他の例外の判断は残る
4国・自治体等が直接使う建築物か該当しても、施行令第21条第26号イ〜ホの除外施設なら「公共設置」だけで許可不要にはならない
5開発行為を伴わない建築・用途変更か開発許可済み区域内なら第42条、市街化調整区域なら第43条の建築制限を別に確認する

厚生労働省Q&Aも、開発行為がある場合の第29条だけでなく、開発行為を伴わない新築・改築・用途変更では第42条・第43条の許可が問題になり得ると整理している。試験では「開発許可」と「建築の制限」を同じものとして読まないことが重要だ。

Kentoくん

「公共設置だから不要」も「追加施設だから必ず必要」も断定しすぎ。施設名の前に、開発行為・区域・規模・例外を順番に見よう。

ひっかけになりやすい二つの断定

  • 「公共設置=必ず許可不要」は誤り。第21条第26号ハの除外側に入るため、国や自治体が設置しても自動的に許可不要にはならない。
  • 「公共設置=必ず許可が必要」も誤り。開発行為に当たるか、区域・規模基準を満たすか、別の許可不要規定がないかの判断は残る。

厚生労働省のQ&Aも、国などが設置する場合でも病院などと同様に開発許可の判断対象とし、一方で区域ごとの規模未満なら開発許可不要となり得ることを明記している。この「古い公共施設イメージ」と「必ず許可という過剰な断定」の両方を外すのが、2026年改正を正確に読むポイントになる。

2026年度に向けた勉強の優先順位

  1. 開発許可の入口判断:開発行為、区域、面積、許可不要行為を同じ順番で確認する
  2. 用途地域・地域地区:似た制度を2つまたは3つずつ比較する
  3. 地区計画・準都市計画区域:定められる区域と項目を分ける
  4. 開発許可後の手続:協議、同意、変更、完了、公告、地位承継を時系列で整理する
  5. 2026年度向け改正:乳児等通園支援事業とオンライン診療受診施設を確認する

傾向から導く3段階の仕上げ

段階対象完成ライン分析上の理由
最優先用途地域・地域地区/開発許可の要否似た制度を比較でき、開発行為→区域→規模→例外の順で判断できる設問1の50.0%が用途地域系、設問2は9試験すべて開発許可
準優先地区計画/手続・許可後地区整備計画の項目と、協議・同意・変更・完了・公告・承継の時期を説明できる地区計画は設問1の22.2%、手続・許可後型は9試験中4回
最後の上積み準都市計画区域/都市計画事業/2026年改正「定められる」と「定められない」、公共設置の例外構造を判断できる肢数は少ないが、新旧制度や断定表現のひっかけにしやすい

集計から個別論点を深掘りする

まず10問で理解度を確認する

知識を読んだ後は、正誤問題で「どこを混同したか」を確かめると定着しやすい。

本と三角スケールを持って宅建・都市計画法10問チャレンジを案内するKentoくん

Kentoくん10問チャレンジ

都市計画法の理解を、10問の正誤問題で確認しよう。

  • 採点と短い解説つき
  • 間違えた問題を最後に確認
  • 同じ挑戦内で問題の重複なし

出題論点から再構成した全100問のオリジナル問題から、10問ずつ挑戦できる。解答を重ねると、20問・50問・70問・100問の到達点で弱点分析が深くなるので、この記事で決めた優先順位が自分にも合っているかを確かめられる。

よくある疑問

過去7年の傾向だけで2026年度に対応できますか?

対応の優先順位は作れるが、それだけでは足りない。過去問分析は頻出論点とひっかけ方の把握に使い、2026年4月1日現在施行の法令と組み合わせる必要がある。

都市計画法の問題番号は固定ですか?

固定とは限らない。過去9試験では元の冊子の問15・問16に当たったが、本記事では番号暗記を目的にせず、都市計画法の設問1・設問2として役割を整理している。

オンライン診療受診施設は必ず開発許可が必要ですか?

必ずではない。国等の直接利用建築物として一律に許可不要になる対象からは除かれるが、開発行為の有無、区域、規模、他の許可不要規定は別に判断する。

ヒートマップの25%は何を意味しますか?

1試験の該当設問は4肢なので、1肢がその主分類に当たると25%になる。50%は2肢、75%は3肢、100%は4肢すべてが同じ主分類だったことを表す。

まとめ

  • 過去9試験では、設問1が制度・土地利用、設問2が開発許可という役割分担だった
  • 設問1の36選択肢では、地域地区・用途地域が18選択肢で半数を占めた
  • 設問2は、許可要否型5回、手続・許可後型4回だった
  • 面積基準だけでなく、許可・届出・協議・同意などの手続も必要
  • 2026年度は、乳児等通園支援事業とオンライン診療受診施設の改正を確認する

都市計画法は、個別の数字をばらばらに覚えるより、「制度・土地利用の比較」と「開発許可の判断フロー」に分けると学習しやすい。まずはこの2本の軸から固めよう。

Kentoくん

全部を同じ深さで覚えなくて大丈夫。頻出論点から順に固めて、10問チャレンジで理解を確認しよう。

根拠・参考資料

法令・公的資料確認日:2026年8月15日

このメモは資格試験の学習を目的とした一般的な解説です。実際の案件では、最新法令、自治体条例、運用基準および許可権者への確認が必要です。

記事の制作・確認について
本記事はKentoくん編集部が制作し、建築基準適合判定資格者/建築・都市計画行政実務者が内容を確認しています。
詳しい制作・確認方針を見る
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