Kentoくん準都市計画区域でも、高度地区は使えるのでしょうか。似た名前の高度利用地区や、最高限度・最低限度との違いまで一緒に整理しましょう。
今回は、宅建士試験の一問一答を入口に、都市計画法第8条・第9条を確認します。動画より少し詳しく、準都市計画区域で定められる8種類の地域地区、地区計画との違い、令和7年都市計画現況調査から見た実際の広がりまで解説します。
まずは動画で一問一答
今回の問題
準都市計画区域では、高度地区を都市計画に定めることはできない。



正しいか、誤りか。答えを見る前に考えてみて。
正解は「誤り」
準都市計画区域でも、都市計画に高度地区を定めることができます。都市計画法第8条第2項は、準都市計画区域で定められる地域地区の一つとして、高度地区を認めています。



似た名前の『高度利用地区』は対象外です。第8条第1項第3号のうち、準都市計画区域で使えるのは『高度地区に係る部分』に限られます。
都市計画法第8条で高度地区を確認
都市計画法第8条第1項第3号は、地域地区として『高度地区又は高度利用地区』を掲げています。一方、第8条第2項は、準都市計画区域で定められるものを『高度地区に係る部分に限る』と限定しています。
| 地域地区 | 都市計画区域 | 準都市計画区域 |
|---|---|---|
| 高度地区 | 定められる | 定められる |
| 高度利用地区 | 定められる | 定められない |
高度地区は、建築物の高さを調整して市街地の環境を維持したり、土地利用の増進を図ったりする制度です。高度利用地区は、容積率や建蔽率、建築面積、壁面位置などを一体的に定め、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図る制度です。名称は似ていますが、目的も定める内容も異なります。
準都市計画区域では『最高限度だけ』
都市計画法第9条第18項では、高度地区を、用途地域内で建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区としています。ただし、準都市計画区域では、都市計画法第8条第3項第2号トにより、建築物の高さの最高限度に限られます。


つまり、準都市計画区域で高度地区を定めるには、その場所に用途地域が定められていることが前提です。さらに、高さの最低限度を定める使い方はできません。
建築時には建築基準法第58条が働く
高度地区が都市計画に定められると、建築基準法第58条により、建築物の高さはその高度地区の都市計画に定められた内容へ適合させる必要があります。都市計画上の指定だけで終わらず、建築時の高さ制限として作用します。
準都市計画区域で定められる8種類
準都市計画区域で定められる地域地区は、都市計画法第8条第2項に列挙された次の8種類です。都市計画区域で利用できる地域地区を、そのまま全部使えるわけではありません。


| 番号 | 地域地区 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 1 | 用途地域 | 建築物の用途・形態を基本的に調整 |
| 2 | 特別用途地区 | 用途地域を地域特性に応じて補完 |
| 3 | 特定用途制限地域 | 用途地域がない土地で特定用途を制限 |
| 4 | 高度地区 | 用途地域内で建築物の高さを調整 |
| 5 | 景観地区 | 良好な景観の形成 |
| 6 | 風致地区 | 都市の風致を維持 |
| 7 | 緑地保全地域 | 緑地を保全 |
| 8 | 伝統的建造物群保存地区 | 歴史的な建造物群と環境を保存 |
地区計画は定められる?
準都市計画区域には、地区計画を定めることはできません。地区計画は地域地区ではなく、都市計画法第12条の4第1項が『都市計画区域については』定められる制度としているためです。『高度地区は使えるが、地区計画は使えない』と制度の分類を分けて覚えましょう。
令和7年都市計画現況調査から見る実態
国土交通省の令和7年都市計画現況調査(2025年3月31日現在)では、全国の準都市計画区域は47区域、合計68,378.5haです。その中で、用途地域が定められている面積は236.9haで、準都市計画区域全体の約0.35%です。


この集計から分かるのは、高度地区を定める前提となる用途地域の範囲が、準都市計画区域全体ではごく限られていることです。一方、この表だけでは、準都市計画区域内で高度地区が実際に何区域指定されているかまでは判断できません。



『法律上、定めることができる』ことと、『全国で広く指定されている』ことは別です。現況調査の用途地域面積を、高度地区の指定面積と読み替えないようにしましょう。
宅建士試験の勉強ポイント
- 準都市計画区域でも高度地区は定められる
- 高度利用地区は定められない
- 高度地区は用途地域内に定める制度
- 準都市計画区域の高度地区は、建築物の高さの最高限度だけ
- 地区計画は準都市計画区域には定められない
実務ワンポイント
個別敷地の高さ制限を確認するときは、都市計画法が制度を認めているかだけで判断しません。区域図、用途地域、高度地区の指定、具体の計画書という順に確認します。


高度地区の計画書には、最高高さだけでなく、高さの測定方法、敷地条件による緩和、適用除外などが定められている場合があります。自治体のWeb GISだけで終わらず、最新の都市計画図書と担当窓口で確認することが大切です。
まとめ
今回の問題は誤りです。準都市計画区域でも高度地区は定められますが、用途地域内で、建築物の高さの最高限度だけを定める制度として使われます。
試験では『高度地区』と『高度利用地区』を分け、さらに最高限度・最低限度の違いまで押さえましょう。実務では、法律上の可否と個別敷地への実指定を分けて確認します。
根拠・参考資料
法令・公的資料確認日:2026年8月12日
このメモは資格試験の学習を目的とした一般的な解説です。法令改正や個別の都市計画については、最新法令、都市計画図書および担当窓口で確認してください。










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