【宅建一問一答】市街化区域の農家住宅|開発許可が必要になる理由を図解

市街化区域の農家住宅に開発許可が必要かを解説するKentoくん
Kentoくん

農家住宅だから、どの区域でも開発許可を受けなくてよい――とは限りません。まず区域を確認して、一緒に整理しましょう。

このメモでは、宅建士試験の一問一答を入口に、市街化区域と市街化調整区域の違い、1,500㎡の面積判定、許可不要でも残る実務上の確認まで解説します。

目次

動画で約3分半解説

今回の問題

市街化区域内で、農業を営む人の住宅を建てるため、1,500㎡の土地について区画形質の変更を行う場合、開発許可を受けなくてもよい。

※条例による特別の定めはないものとします。

Kentoくん

正しいか、誤りか考えてみて。

正解

誤りです。

農業を営む人の住宅であっても、市街化区域は都市計画法第29条第1項第2号の適用除外に含まれません。今回の1,500㎡は、市街化区域の原則基準1,000㎡以上であるため、開発許可が必要です。

開発許可は「区域→建物用途→面積」で確認する

開発許可を区域、建物用途、面積の順に確認する図
建物用途だけで判断せず、まず区域を確認します。

開発許可の問題では、最初に土地がどの区域にあるかを確認します。次に農林漁業用建築物や農業を営む人の住宅などの適用除外を確認し、最後に区域ごとの面積基準へ当てはめます。

今回のように『農業を営む人の住宅』という言葉があっても、区域の確認を飛ばすと結論を反対にしやすくなります。

農家住宅の適用除外は市街化区域にない

市街化調整区域と市街化区域で農家住宅の開発許可適用除外を比較する図
同じ農家住宅でも、区域によって開発許可の扱いが変わります。

都市計画法第29条第1項第2号は、市街化調整区域、区域区分が定められていない都市計画区域(非線引き都市計画区域)、準都市計画区域で行う一定の農林漁業用建築物や、農林漁業を営む人の居住用建築物を目的とする開発行為を、許可の適用除外としています。

一方、市街化区域はこの3区域に含まれません。そのため、市街化区域では『農家住宅だから許可不要』とはならず、通常どおり面積基準などを確認します。

区域農家住宅の第29条第1項第2号
市街化区域対象外。面積基準などで判断
市街化調整区域要件を満たせば適用除外
非線引き都市計画区域要件を満たせば適用除外
準都市計画区域要件を満たせば適用除外

ここでいう農業を営む人の住宅は、単に農地の近くに建つ住宅という意味ではありません。申請者が許可権者の基準上『農業を営む者』に該当し、その人自身の居住用建築物であることなどを個別に確認します。

市街化区域の1,500㎡は原則基準以上

市街化区域の原則基準1000平方メートルと今回の1500平方メートルを比較する図
今回の1,500㎡は、原則基準の1,000㎡以上です。

都市計画法施行令第19条では、市街化区域における規模による許可対象外を原則1,000㎡未満としています。今回の1,500㎡は1,000㎡以上なので、農家住宅であっても開発許可が必要です。

首都圏・近畿圏・中部圏の一定区域では500㎡未満が基準となり、都道府県などの条例によって300㎡以上1,000㎡未満の範囲まで引き下げられる場合もあります。実務では、必ず計画地の条例と自治体基準を確認します。

実務では、許可不要でも確認が残る

農業を営む者への該当、農地転用、建築確認と60条証明を確認する図
開発許可の適用除外と、ほかの手続の要否は分けて考えます。

市街化調整区域などで第29条第1項第2号の適用除外となっても、行政手続がすべてなくなるわけではありません。実務では少なくとも次の点を確認します。

  • 申請者が自治体基準上の『農業を営む者』に該当するか
  • 建築する住宅が、その本人の居住用建築物か
  • 敷地が農地の場合、農地転用の手続が必要か
  • 建築確認に際して、都市計画法施行規則第60条の証明などが必要か

第60条の証明は、建築計画が都市計画法上の許可を要しないことなどを確認するため、自治体や確認申請の提出先から求められる場合があります。必要性や提出書類は自治体の取扱いによって異なるため、開発許可窓口、農業委員会、建築確認の提出先へ早めに確認します。

宅建士試験の勉強ポイント

  1. 農家住宅の適用除外は、区域によって変わる
  2. 市街化区域は第29条第1項第2号の対象外
  3. 市街化区域の1,500㎡は原則基準以上なので、開発許可が必要
  4. 確認順は『区域→建物用途→面積』

まとめ

今回の問題は、市街化区域内の1,500㎡の開発行為です。市街化区域では農家住宅の適用除外を使えず、1,500㎡は原則基準1,000㎡以上であるため、開発許可が必要です。

試験では『農家住宅』という言葉だけで判断しないこと。実務では、適用除外になった場合でも、農業を営む者への該当、農地転用、建築確認や60条証明などを別々に確認しましょう。

根拠・参考資料

法令・公的資料確認日:2026年7月31日

このメモは資格試験の学習を目的とした一般的な解説です。個別の開発計画については、最新法令、自治体条例、開発許可取扱基準および担当窓口で確認してください。

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