【宅建一問一答】特定街区とは?宅建で覚える3点セットを実例と図で解説

特定街区を実例と図で解説するKentoくん

特定街区は、まとまりのある街区を一体として計画し、建築物の容積率、高さの最高限度、壁面の位置の制限を都市計画で定める制度です。

宅建試験で覚えたい3点セットと、建築基準法第60条との関係、全国の指定状況、実務で都市計画図書を確認する順序を図で整理します。

目次

まずは動画で一問一答

問題

特定街区では、都市計画により、建築物の「容積率」「高さの最高限度」「壁面の位置の制限」を定める。

正しいか、誤りか考えてみてください。

正解

正しいです。

根拠は都市計画法第9条第20項です。特定街区では、街区内の建築物について、容積率、高さの最高限度、壁面の位置の制限を都市計画で定めます。

特定街区で定める3点セット

  1. 容積率
  2. 高さの最高限度
  3. 壁面の位置の制限

特に注意したいのは、高さについて定めるのは「最高限度」であることです。高度地区のような「最高限度または最低限度」ではありません。

容積率、高さの最高限度、壁面の位置の制限を示す図
特定街区で定める3点セット

敷地ごとではなく、街区を一体として考える

特定街区のポイントは、名前のとおり「街区」です。建築物の敷地を一つずつ別々に考えるだけでなく、まとまりのある街区の中で建築物と有効な空地などを一体的に計画します。

ただし、指定されれば自由に高さや容積を決められるわけではありません。具体的な数値や範囲は、個別の都市計画の計画書・計画図で確認する必要があります。

一般的な敷地と特定街区の計画イメージを比較した図
概念図。具体的な制限は個別の都市計画図書で確認します。

建築基準法第60条との関係

建築基準法第60条では、特定街区内の建築物について、都市計画で定めた容積率と高さの限度以下とし、壁面の位置の制限にも適合させることを定めています。

また、特定街区内では、建築基準法第52条から第59条までなどの一般規制が適用されず、特定街区の都市計画で定めたルールが適用されます。すべての建築規制がなくなるわけではない点に注意してください。

全国の指定状況

国土交通省の令和7年都市計画現況調査によると、2025年3月31日現在、特定街区は全国17都市、112地区、185.1ヘクタールです。

東京都が62地区で全国の55.4%を占め、次いで大阪府12地区、兵庫県10地区、神奈川県8地区となっています。全国に均等に指定される制度ではなく、大都市部での活用が中心です。

特定街区の全国17都市112地区と都道府県別地区数を示す図
国土交通省「令和7年都市計画現況調査」、2025年3月31日現在

東京都の実例

東京都の特定街区プロジェクト一覧には、丸ビル、新丸ビル、東京都庁舎、東京オペラシティ、日本橋三井タワーなどが掲載されています。

制度名だけでは難しく感じますが、実在する街や建築物と結び付けると、街区を一体として計画する制度であることをイメージしやすくなります。

丸ビル、新丸ビル、東京都庁舎、東京オペラシティ、日本橋三井タワーの建築イメージ
東京都都市整備局の一覧に掲載された事例。建築イラストはAI生成によるイメージです。

特定街区と総合設計制度の違い

制度主な根拠・手続計画単位
特定街区都市計画法に基づく都市計画決定街区
総合設計制度建築基準法第59条の2に基づく特定行政庁の許可個別の建築敷地・建築計画

どちらも空地の確保や市街地環境への貢献と関係する制度ですが、特定街区は都市計画決定、総合設計制度は建築の許可であることが大きな違いです。

試験で迷いやすい4つのひっかけ

1.「高さの最低限度」が入っている

誤りです。特定街区で定める高さは「最高限度」です。最低限度は3点セットに含まれません。

「最高限度または最低限度」と出てきた場合は、高度地区と混同していないか確認しましょう。

2.「建蔽率」を3点セットに入れている

誤りです。都市計画法第9条第20項に列挙されるのは、容積率、高さの最高限度、壁面の位置の制限です。

容積率と建蔽率はセットで覚えがちですが、特定街区の定義を問う問題では区別が必要です。

3.「特定行政庁の許可を受ける制度」としている

総合設計制度との混同に注意してください。特定街区は都市計画として定める制度です。一方、総合設計制度は特定行政庁の許可を受ける制度です。

4.「指定されれば自由に高く建てられる」としている

誤りです。容積率や高さは、特定街区の都市計画で定められた限度以下にする必要があります。

一般規制の一部が適用されないことと、建築制限がなくなることは同じではありません。

問題を解くときの3ステップ

  1. 問題文に「特定街区」と出たら、街区単位の都市計画だと確認する
  2. 「容積率・高さの最高限度・壁面の位置」の3点が揃っているか見る
  3. 最低限度、建蔽率、特定行政庁の許可など、別制度の言葉が混ざっていないか確認する

迷ったときは「容・高・壁」と短く思い出すと、選択肢を確認しやすくなります。

実務で確認する順序

  1. 都市計画図で対象地が特定街区内か確認する
  2. 特定街区の計画書・計画図を取得する
  3. 容積率、高さの最高限度、壁面位置の数値と範囲を確認する
  4. 建築基準法第60条との関係を確認する
  5. 自治体の運用基準や最新の都市計画決定状況を確認する

地域や街区ごとに内容が異なるため、全国共通の一般論だけで設計条件を判断しないことが大切です。

試験ポイント

  • 特定街区は地域地区の一つ
  • 3点セットは「容積率・高さの最高限度・壁面の位置」
  • 高さは最高限度だけ
  • 建蔽率は3点セットに含まれない
  • 特定街区は都市計画決定、総合設計制度は特定行政庁の許可

根拠・参考資料

法令確認日:2026年7月26日

統計基準日:2025年3月31日

この記事は資格試験の学習を目的とした一般的な解説です。実務では、最新の法令、都市計画図書、自治体資料をご確認ください。

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