このメモでは「区域区分」の簡単な概要と調べ方をまとめているよ。
区域区分は法律用語。通称は”線引き”だよ。どちらも同じ意味を持つよ。
区域区分は日本の都市計画制度の基本となるものだから、このメモで覚えていってね。また、いつでも読み返してくれると嬉しいな〜。
区域区分とは、別名で「線引き」ともいうよ。
線引きの由来は地図上(都市計画図)に市街化を促進する区域と市街を抑制する区域との「線」を引くことに由来しているんだ。言い換えると、建物を建てられるエリアとそうではないエリアとを分けるための”境界線”のこと。
少し難しい話なんだけど、法律としては都市計画法第7条に規定されていて、首都圏や近畿圏などの一部エリア、政令指定都市では義務化されているんだけど、それ以外の都市では義務ではないんだよ。必ずしも線引きをしなくても良いルールにはなっているよ。
線引き義務化に係る関係法令 | 線引き義務化のエリア |
---|---|
首都圏整備法 | 既成市街地、近郊整備地帯 (東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城の各一部) |
近畿圏整備法 | 既成都市区域、近郊整備区域 (京都、大阪、兵庫、奈良の各一部) |
中部圏整備開発法 | 都市整備区域 (愛知、三重の各一部) |
地方自治法 | 政令指定都市 |
2000年に都市計画法が改正される前には線引きが義務化されていたのは人口10万人以上の自治体などに限られていたよ。それが改正後は一部エリアを除いて選択制になったことを受けて、廃止に向けて動き出している都市もあるよ。
線引きの役割として、無秩序な乱開発を防いだり計画的な市街地をつくっていくことにあるよ。
宅地開発したい事業者が住民が多くいたとして、一定のルールを設けないとどうなるだろう?自由かつ無秩序に自然が破壊される恐れがあるよね。とても住み難い都市が形成される可能性があるよ。
※線引き制度は都市が成長することを前提として設けられている仕組み。だから、人口減少下の地方都市では線引きに加えて誘導していく仕組みが求められているんだ。
「都市」の定義は知っているかな?
根幹となる都市計画法にもその定義が書かれていないことで、都市という言葉が人によって認識が異なるんだ。実態は、複数の市町村で構成される都市圏を都市と呼んだり自治体単位を都市と言ったりしている。
ケントくんとしては、海外のように経済活動が一体的に行われる範囲を都市圏を一つの「都市」と定義付けした方がみなが理解しやすいと思っているよ。
例えば、東京で見たとき、東京都の行政区域を都市と呼ぶむのには無理があるし、かと言って23区に隣接する千葉や神奈川、埼玉の一部の自治体を東京という大都市に含めないのは違和感を感じるはず。
線引きされている都市であるかどうかの確認方法は、専門用語でいう「都市計画区域マスタープラン(正式名称:都市計画区域内の整備、開発及び保全の方針)」に”区域区分の方針”に記載されているよ。都市計画区域ごとに区域区分の方針が定めされているから、目次から探してそのページを確認すれば”有”または”無”が書かれているよ。
都市計画区域マスタープランは都道府県(一部は政令指定都市)が策定しているよ。市区町村が策定する「市町村都市計画マスタープラン」とは異なるものだから注意してね。
日本全国でどの都市に線引きが行われているかは、国土交通省がとりまとめている「都市計画現況調査」を確認することで確認することができるよ。
まとめだよ。
・区域区分=線引き
・区域区分は一部の都市を除いて選択制(2000年改正〜)
※線引き義務化:首都圏や政令指定都市など
・区域区分を行っている都市かどうかは都市計画区域マスタープランを確認することができる。または、国の都市計画現況調査から確認することができるよ。
このメモを読んで区域区分についてなんとなく分かってもえたら嬉しいな
参考書籍
都市計画の基本を知ることができる書籍の紹介だよ。もう少し区域区分について歴史や背景を知りたいと思った人や、都市計画法の改正の過程なんかが知りたいという人にはきっと参考になるはずだよ。
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